ラース・フォン・トリアーのアンチクライスト



(ネタばれありますよ)


【ブレイキング・ザ・ウェーブス】を最後に、最近の作品を暫く観てなかったトリアーが

(【イディオッツ】はVHS借りて視たけど。あとTVシリーズ【キングダム】は現在まで出てる全部観た)


アンチクライスト】という映画を製作したと聞いて、


このスチール写真を視た時に、朧げに想像した内容は、


ウィレム・デフォー(cf【キリスト最後の誘惑】)演じるキリストが、


シャルロット・ゲーンズブール演じるマグダラのマリアに誘惑されて


堕ちていくというものでした。


色欲に溺れたふたりの周りには、まさに死屍累々、


一体この先、何十人、何百人、何千人、何万人の命が失われていくのか、


キリスト教がもたらす、原罪に対する報いを描くのではないかと考えた訳です。


久し振りにこれは劇場で観なければならないと感じ、


遅くなりましたけど、四月一日映画の日(ヒューマントラストシネマ有楽町での上映最終日)に


何とか観に行く事が出来た訳です。


トリアー監督の作品は(全部は観てないけど)


特にラストシーンが強烈・鮮烈で、


エレメント・オブ・クライム】も【エピデミック】も【ブレーキング・ザ・ウェーブス】もそうでした。


今回の【アンチクライスト】は、冒頭場面から衝撃的で、


途中途中もその緊張感が続き、全篇がまさに“ハードコア、メーン!!”なのですが、


特に最後の場面が物凄い恐ろしさと美しさと異様さと云い現せないもので溢れていて、


鳥肌が立って、そしてブラックアウト「完」となる映画は、もしかしたら初めてだったかもしれません。



そして、本編が終わった後に出た《タルコフスキーに捧ぐ》のクレジットにまたまた“やられ”


【ストーカー】を視直しました。


今や別な負の意味合いが強くなってしまい、


“追う者”“求める者”“密猟者”というニュアンスで捉えられなくなってしまった


“ストーカー”という呼称を持ったこのタルコフスキーの映画を最初に観たのは1986年か87年(製作はもっと前の1979年)。


製作時にタルコフスキーの頭にあった「ゾーン」のイメージは、ツングースカ大爆発だったのでしょうが、


観た時は既にチェルノブイリ原発爆発事故が起きていた為、それを連想しない訳にはいきませんでした。



自分メモ:「エデン」→「ゾーン」/「狐と鹿と鴉」→「黒い犬」



(この項、タルコフスキー【ストーカー】へつづく)



マンダレイ デラックス版 [DVD]

マンダレイ デラックス版 [DVD]

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

エピデミック [DVD]

エピデミック [DVD]

ヨーロッパ [DVD]

ヨーロッパ [DVD]