2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

象を殺した怪ガエル

「おい。沼のふちで象が苦しがっているぞ」 動物保護係のヘーニとボンボは、前方の沼のふちで5頭の親子づれの象が、地面をのたうちまわっているのを見つけた。 ここは、アフリカのケニア。1964年10月18日のことだ。 ふたりは馬を飛ばして沼のふちに来たが、5…

異質の才

全く違う作風の虚構作品が続々と刊行されている、石川雅之。 今まで、石川雅之の作品に触れられなかった事が深く悔やまれる程の、物凄い才能の持ち主です。 未完になってしまっている『カタリベ』も、現在の全1巻が話題になって売れれば、続きを描いてくれ…

テレパシーとは何ですか

ソ連のある炭坑で、事故が起きました。 グレスキーという人が、みんなから離れた所に生き埋めになりました、 グレスキーさんは何度も気を失いかけましたが、奥さんからおくられてきた 「あなた、しっかりして!」というテレパシーに励まされ、自分もテレパシ…

大伴昌司の会

「大伴昌司の会」に列席させて貰いました。 亡くなられてから既に33年が経ち、大伴昌司と一緒に仕事をされていた方々も、還暦をとうに過ぎています。 にも関わらず、皆さんの御若い様はどうでしょう。自ら望んだお仕事をされ続けていることの効能なのかもし…

逢魔が時

風がやんでしまいました。 静かな、静かな、夕景色です。 どんよりとした、夕空は、刻々、暗さを増していきます。 緑の葉を繁らせたお化け銀杏の樹が、黒く見えています。 一日の終わりです。 昔はこの時刻を、「逢魔が時」と呼んで、恐れていました。 魔も…

シンシナチ・タイムズ

古賀新一描く「骨無し人間」の図。 ケンタッキーの山奥に住むその男 ヘクター・デイビスは骨が軟らかくなる奇病にかかってしまったと云う。 デイビスの躰に樽を転がすと、平たい板の様になってしまった!とシンシナチ・タイムズの記者は記している。 この「…

信じようと信じまいと

合理的な科学では説明出来ない異常な現象の記事を集める事に生涯を費やしたチャールズ・フォート(1875〜1932)。 彼は、「科学とは切られた蛸の足の様なものだ。触腕を足の付け根につないでやらないと、 勝手に動いて、不気味なものに触れてしまうだろう」…

平家みちよは今何処に?

チャーミィー石川「何でそんな若作りするんですか?」 平家みちよ「(笑)(怒)」 マリモアゼル矢口「平家さん出身三重ですよね? 三重は関西じゃ無いですよね?」 平家みちよ「ちょっとバカなこといっちゃって、三重は関西です(怒)」

フジオ・プロにいく

気が付くと3時間が経過していました。 竜宮城に招待された気分でした。 でも幼稚園の頃に買って貰った初代アッコちゃんのコンパクトはフジオ・プロさんでも所蔵して無かったのです。 名台詞1 メンタマつながりお巡りさん「神様、こんなひどいことがあって…

ガリア人の頭目と彼の獲物の取り分

最近シーザー(カエサル)が偉人として再評価されているが、その風潮にはどうも違和感がある。 シーザーにとっとと駆逐されたガリア人たちを正義の主人公とし、 シーザーを単なる悪役として描いたコミック「アステリックス」がフランス産というのは面白い。 …

インド人もびっくり

インド人だインド人だ インド人だインド人だインド人だ インド人だインド人だインド人だインド人だ インド人だインド人だインド人だインド人だインド人だインド人だ イソド人だイソド人だイソド人だイソド人だイソド人だイソド人だイソド人だイソド人だ イン…

こわいサル

野垂れ死にという最低な晩年をおくってしまった文豪ポオが著した「モルグ街の殺人」。 1931年に映画化された時には、「犯人の」類人猿はオランウータンから、ゴリラへと変更された。 狂った医者に雇われて「不埒な実験の実験台」となる、若くて美しい女性を…

街を陰る死の翼

ベックリンの「ペスト」。 黒死病とも呼ばれ。欧州で大流行したペスト菌は、この絵に描かれた様に、「竜に乗った死神」の如く空を飛んで蔓延ったのでは無く、 地を這って人びとの間に死をもたらした(ペスト菌を媒介したのは鼠に寄生した蚤)。 好美のぼる氏…

WASPに魂を売り付けた黒人女

全面禁輸「過剰」と批判 牛肉問題で米国務長官 日本の麻生太郎外相は18日、オーストラリア・シドニーでライス米国務長官と日米戦略対話を行った。 ライス氏は、牛海綿状脳症(BSE)問題により米国産牛肉の輸入全面停止を続けている日本政府の対応を 「…

ドジっ子女子中学生

小学生の時分から知っている、耳が大きくて前を向いている彼女は、いつの間にか成長して、 渋谷でスカウトされ、現在ではタレントなどをやったりしています。 画面での彼女は、割合としっかりした口調で喋り、 どちらかと云えば能動的なタイプのタレントとい…

拘束と護謨と小人フェティシズム

夫「いっそ全身をゴムでくるんでしまおうじゃないか」 紐や布と違って肉体が順応すれば更に其れ以上の緊縛感を齎すゴムの魅力に、ふたりは取り付かれた。 其れは、ひとがたをした柔軟な、しかも強靱な張力のある袋だった。 妻の鼻のあたる部分に二本の小さな…

ほんものの亡霊

其れは、忘れもしません。昭和27年8月20日午前3時半ごろの事です。 其の前日、有人のA君と下北半島の陸奥市へ遊びに行き、 其の夜は仲間の居る海辺の病院に一泊させて貰う事になりました。 夜が更けて、ひとつの部屋に案内され、ベッドに入りましたが、夜中…

宮沢賢治『よだかの星』

よだかは、実にみにくい鳥です。 顔は、ところどころ、味噌(みそ)をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。 足は、まるでよぼよぼで、一間(いっけん)とも歩けません。 ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやに…

彪ちゃんのドンと出世してみよう

暫定作成中ですイラスト:ひさうちみちお画伯

宮沢賢治『貝の火』

今は兎たちは、みんなみじかい茶色の着物です。 野原の草はきらきら光り、あちこちの樺の木は白い花をつけました。 実に野原はいい匂で一杯です。 子兎のホモイは、悦んでぴんぴん躍りながら申しました。 「ふん、いい匂だなあ。うまいぞ、うまいぞ、鈴蘭な…

獣姦

『シャイニング』のクライマックス、オーヴァールックホテルの亡霊たちが一斉に騒ぎ出す場面。 ウェンディが廊下を走っていると、扉が開いた部屋がある。ふと、その部屋の中を見ると、 老年に近い紳士と、なにか毛むくじゃらのものが抱き合っている。 その毛…

インド魔術・妖術

白土三平『サスケ』にも登場した、インド古来より伝わるとされる【空中ロープ術】の魔術。 この魔術のやり方は色々あるが、通常良く行われるのは以下の様なものである。 まず時間は、夕暮れ時か夜で、近くに大木がある場所。魔術師はかがり火を焚いて、 長さ…

毒婦 VAMP

1913年に公開されたスリラー映画『女吸血鬼(VAMP)』。 この言葉は、主演女優である映画スタア=シーダ・ヴァラを売り出すために、宣伝用として慎重に作り出されたものである。 シーダ・ヴァラの芸名の由来は、「アラブの死」という英語の綴りを組み換えた…

われわれの中の怪物

多くの人は、自分は加害者になれないと思いながら、他人の被害を見るのは平気であり、むしろ熱心に見たがる。 我々の祖先を喜ばせた公開処刑の風習は、今ではかなりすたれたが、墜落飛行機のバラバラ死体の見物には、 周囲何キロメートルもの遠方から多数の…

ナントカ記憶喪失

削除されたもの:手塚治虫篇 「泥だらけの行進」※めくら、きちがいといった台詞や、精神病の描写のため 【あらすじ】 警視庁秘密捜査課の東という男が、舞台となる関西の或る町にやって来る。 此処の小学校では、3年前、何者かが給食のパンに毒物を混入した…

諸般の事情により口チャック

削除されたもの:藤子不二雄A篇 「ぶきみな5週間 毛のはえた楽器」※ピグミー族、人喰い人種の描写のため 「シンジュク村大虐殺」※ベトナム戦争を想起させる描写のため 「五百億円の鼠」※不明 「田園交響楽」※被差別部落の描写のため 「台北挽歌」※台湾の描写…

幽 霊

外国の幽霊は、ただ恐ろしいというだけでは無く、日本の幽霊と競べると、怨念や恨みなどといったものとは 無縁な存在である事も多く、ずっとユーモアがあり、昼間でも堂々と出て来る事がある。 (だからこそ目撃者により強い恐怖感を抱かせる場合もある。ヘ…

ケルピイ

普段は馬の姿をした水の精で、夜通し水車の輪を廻して粉屋の手伝いをしたという話も残っている。 が、旅人を水死させたりするのも好きで、誤って背中に乗った人がいると、そのまま駆け出し、水の中に飛び込んで溺死させる。 滝沢馬琴「南総里見八犬伝」では…

ゴシックロリータ・アーキテクチャー

あのね、あたしネ…… ちっちゃいころ、ウサギを かってたの。つがいでね。 すこしして、ぜんぶで 4ひき、こどもがうまれたの。 つぎのひ、えさをあげにいったら…… おやウサギが、こウサギを 食べてたの。

だめ人間だもの。

「このままじゃダメになる」では無く、今、既に充分ダメな男の、爆笑自伝風漫画。 『僕の小規模な失敗』は作品としても面白いのですが、或る種のリトマス試験紙になり得る漫画です。 自らに「ダメ人間」の因子があって、それ故に主人公に感情移入することを…