ブラックスワンとパーフェクトブルー




今年2011年はベストワン級の映画が次々と現れて、嬉しい悲鳴です(笑)。


ナタリー・ポートマンに初めてオンナを見た! ダーレン・アロノフスキー監督作『ブラックスワン』。


ネタばれありマス










去年アメリカで公開された時から、町山智浩氏が「この映画は今 敏監督に捧げられるべきだ」と発言しており、


まさにその通り、今監督のデビュー作『パーフェクトブルー』から引用したテーマ、場面が数多く見受けられます。

(個人的に今 敏監督作の中では『パーフェクトブルー』が最高傑作であると思います)


もうひとりの自分、鏡の中の自分(と他者)、過去の自分との決別・脱皮を迫られ精神分裂していくヒロイン、


ヒロインの視る悪夢は実際の出来事なのか、或いは妄想なのか、それとも………。




共通する要素が数多い中、『ブラックスワン』にしか無いものも勿論あり、


その中でも大きいのが、母親の存在でしょう。


『キャリー』かと思うほど、ヒロインの母親は忌むべき恐ろしい“他者”として彼女の前に立ちはだかります。


ストレスから背中の蕁麻疹を掻き毟ってしまうヒロインの爪を切ろうとして指を切ってしまうなんて!!!


元バレエダンサーでありながらヒロインを妊娠してしまった為にその夢を諦めた母親、


その母親の夢を代わりに叶える為にバレエを始めたであろうヒロインは、


生活の時間全てを保護者である母親に管理され温室の様な環境で育ってきたのです。


(しかしバーバラ・ハーシーは怪女優になってしまったなあ………)


そしてクライマックス、今まで散々苛酷な努力を強いて娘の人生をバレエ一色にしてきたにも関わらず、


いざそのチャンスが訪れると、一世一代の舞台に立つ事を止めようとする母親、


母親に反発し舞台に立つヒロイン、


果たして彼女は白鳥と黒鳥、両極のダンスを踊りきる事が出来るのか……。




それにしてもホラー映画としての紹介、R-15は伊達じゃ無い程の恐ろしさ。


特に母親が描いたヒロインの絵が一斉に笑い出す場面、これだけはアニメーションには叶わない怖さ不気味さがあります。


(冒頭、まだまともな筈のヒロインの眼に映る母親の絵のひとつが、早くも歪んだ笑いをしており、ここも本当に怖かった)




前作『レスラー』もそうでしたが、今回の『ブラックスワン』も手持ちカメラのぐらぐらリアリティ映像で、


粒子も荒れてて(前から4番目で観ました)16ミリフィルムで撮ったのかと思ったよ!!

追記:実際に16ミリで撮影したとの事。すげぇ)


あ、あと、ウィノナ・ライダーよ永遠に………。


ジョニー・デップ「そのタトゥーはとっくに消したよ」


人生は無常です。





BLACK SWAN

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