亡霊殺人事件訴訟
「波の向こうから、何かがやって来るのが見え
気が付くと、友人たちが次々と溺れ出しま
脚を引っ張られた感じがし
海の中で眼に入ったのは
防空頭巾をかぶった女のひとたちでした」
(生き残った女生徒・談)
津市は二千五百万円払え 集団水死に判決
さる三十年七月、
三重県津市の海岸で水泳練習中の女生徒三十六人が水死した同市橋北中学集団水死事件で、
遺族三十三人が津市を相手取り、
一人五十万円の慰謝料を請求する民事訴訟を起こしていたが、
津地裁民事部山田裁判長は四月十五日、津市に対し、
利子付きで請求額どおりの支払いを命じる判決をくだした。
同事件で起訴された三人を無罪とした、
さる三十六年の名古屋高裁の判決(確定)に対立するものとして注目される。
利子付きの総額は、二千四百七十五万円となる。
(昭和四十一・四・一五『読売新聞』夕刊)