ウエザーマン


ボブ・ディランの曲“ウエザーマン”の一節


♪風がどっち向きに吹いてるかを知るのに


 ウエザーマンなんか必要ない


アメリカ最大の反体制組織SDS(民主社会を求める学生連合)から飛び出した極左派の過激グループは、


このディランの曲からグループの名前をとって、戦闘的な秘密組織を作った。


指導者は、“赤毛のラッド”と云われるマーク・ラッドで、行動を共にした有力なメンバーには、


デビット・ファイン、レオ・バード、アームストロング兄弟らが居る。


アームストロング兄弟は、化学専攻の大学生だったから、爆弾を造ることはお手のものだった。


組織とは云っても、ほんの一握りのグループだが、そのため、むしろ秘密は固く守られており、


彼らの行動は、殆どつかまれていない。


赤毛のラッド”ことマーク・ラッド



しかしウエザーマンは、1970年、堂々とテロ戦争を行うと公表し、次の様な目標を爆破する事を通告した。


1・体制側の力の組織・・・警察/軍隊/裁判所/刑務所


2・政府機関の破壊と、政府高官の暗殺


3・軍需蚕業/銀行/大企業 ビルや工場


4・イデオロギーを統制し、攻撃するマスコミ 体制的新聞社・新聞社・放送局




1969年から1970年にかけて、ウエザーマンは活発に活動した。


この1年間にウエザーマンの行った爆破事件は、大小合わせて4,336件にものぼり、


そのため、死者は40人、負傷者は384人にものぼっている。


しかし、被害者の多くは、巻き添えをくった普通の一般市民ばかりであった、


また、1970年、カリフォルニア州でのウエザーマンによる警官狙撃事件でも、


死者1人、負傷者十数人を出している。


この、ウエザーマンによる一連のテロ活動の詳細を、グループ側の視点から描いたのが、


日本では劇場公開されなかった【ウエザーマン】である。


ニコラス・ケイジがヅラをかぶって、寧ろ飄々としたテロリストを好演。