クリムトの恐ろしい絵

【接吻】で知られる、“ウィーン世紀末”(前の前の世紀末)の画家・クリムト


エロチックな女性の絵画ばかりが注目されていますが、クリムトの魅力はそればかりでは無く。否寧ろ


彼の描く女性には常に死の影がつきまとっているところからも明らかな様に、


タナトスの画家であると云えるのではないでしょうか。




美しい女性の絵より、こういった恐ろしい絵の方が、こちらの心に迫ってくると思います。



   



……何より、傘とかハンカチとか、商品に転用出来ないから。


ジョン・マルコビッチ主演で映画になったそうですが、


伴侶となった女性やら、モデルの女性やらとの絡み・愛憎・嫉妬・確執・葛藤といった事柄に


終始した展開になっていないことを、切望します。


人間らしさを描くのに、エロスだけでは不充分です。同時にタナトスにも肉迫して欲しい。