黒田硫黄のデビルマン

縁あって、黒田硫黄氏と仕事を御一緒出来る事になりました(詳細は、後程記します)。


永井豪の代表作にして、最高傑作であり、以後、豪ちゃん自身が、この作品を超えるものを


到頭、描く事が出来なかった、【デビルマン】。


それを、様々な漫画家が、自分なりに反芻してリメイクしたのが、【ネオデビルマン】です(1996〜2000年)。


こういった場合、各漫画家の本当の力量が試される訳で(勿論、作風や資質の違いといったものはありますが)


殆どの作品が、ただ単にリライトしただけのレベルに留まっており、


とてもひとつの作品として評価出来るものではありませんでした(特に酷いのが、田島昭宇のと、江川達也のヤツ)。


しかしながら、【デビルマン】に対して独自の解釈を展開し、きちんとした作品に仕上げているものもあります。


とり・みき氏の【夢】や、ヒロモト森一氏の短編は優れていますが、やはりこれらの作品の白眉は、


黒田硫黄氏の【ゼノンの立つ日】でしょう。




悪魔王ゼノンが東京上空にあらわれ、高らかに「人間に告ぐ」と、攻撃を宣言する。


病院の医師・安倉は、離婚した妻が育てていた双生児の息子・しげおと克也を連れ、


愛人の奈美、奈美の弟と共に、北海道へと脱出を企てる。が……。




デビルマン】が持っていたテーマに、別の側面から肉迫した、傑作短編です。




悪特隊の横暴や、奈美と弟の姉弟近親相姦の関係に吐き気を催されつつ、


シリアスな展開のみに終始しない、正に黒田硫黄氏にしか描けない作品になっています。




……悪魔があらわれなくても、姉弟や、兄妹。義父と義娘の近親相姦事例は多く、


実父や義父に無理矢理性交渉を強いられていた女の子の話は良く聞きますし、


実際行為には到らないものの、姉そっくりの女と付き合う弟や、


二十歳過ぎて一緒の蒲団に寝ている姉弟もおる様です……。


くわばらくわばら