佐藤有文節が炸裂した妖怪大図鑑
唱和48年、黒崎出版より発刊された、世界怪奇シリーズ【妖怪大図鑑】(函入り)。
著者はその方面の大家、佐藤有文氏です。
この絵の解説として、
“昔の古い絵には、仙人が竜にのって空を飛んでいるものもある。
竜は神の使者の動物だともいわれている。”
とありますが、これは勿論、【安珍清姫】の、竜と化した清姫の図です。
大どくろ:海上を船で進んでいくと、前方にきゅうに大きなどくろが出現する。
船のりたちがおびえおののいている間に、船のまわりにはキリが立ちこめ、
もうどの方向に進んだらよいのか、さっぱりわからなくなってします。
すると〈大どくろ〉は、ゆっくりと船に近ずいてきて、(原文ママ)
海の中からだした大きな骨の手をふなべりにかける。
そして、おなじ海の上を、なん度もなん度もグルグルと船をひっぱりまわすのだ。
やがて、船の上では、水や食物がすっかりなくなってしまい、船のりたちは、
つぎつぎとミイラのようにやせほそって死んでしまう。
〈大どくろ〉は、そんな幽霊船やミイラ船にすみつき、次のエモノをまつのだ。
しかも勝手に左90度に回転してるし……。