むかしの、大むかしの人

数多くの児童本を著し、我々の世代には、中岡俊哉氏、佐藤有文氏と並んで、


馴染みが深かった、たかしよいち氏の【大むかしのなぞ ふしぎ】。


〈人類誕生のなぞふしぎ〉・〈大むかしの衣食住なぞふしぎ〉・


〈大むかしの進歩なぞふしぎ〉・〈大むかしの風習なぞふしぎ〉の章で、


真面目に古代人の生態に関して説明がなされています。


しかし、そこは児童本。キワモノめいた内容も、きちんと含まれています。


★人を食べましたか?


五十万年前の北京原人の骨は、頭と手足の骨だけが発見され、しかも、その骨がたたきわわれていた。


そこで北京原人の骨を研究したワイデンライヒ博士は、


北京原人は仲間の人間を食べたのだと発表し、大さわぎになった。


日本でも、東京の大森貝塚や、愛知県の伊川貝塚など、三千年以前の遺跡から、


人骨に切りきずのあるものや、けずったあとのあるもの、焼けているものなどが発見されている。


しかも、ほかの動物の骨といっしょに、ばらばら散らばったまま見つかっている。




また、今でのニューギニアの中央、大パプア高原には食人種が住んでおり、


ひょっとしたら大むかしの人たちも、人を食べたことがあるのではないかと考えられている。



世界のいろいろな葬式 死肉をついばむハゲワシ


ヒマラヤのふもとのチベットでは、死人を鳥に食べさせる、まったくぎょっとするような葬式が、今でも行われている。


まず、死人は肉親の男に背負われ、そのあとを坊さんたちがお経を唱えながら葬式の場所にやって来る。


そのあと、胸や腹、腕、足など、鳥が食べやすいように刀で切り裂き、大きな石で頭をくだくと、


そのまま置き去りにして、みんな立ち去ってしまう。



やがてハゲワシがやって来て、横たわった死体を、骨だけを残してきれいに食べてしまう。


これで葬式は終わりだ。