ブレイクの、天国と地獄の婚姻
リントラ叫び、その焔を、さめざめしい空になびかすれば、
飢え乾いた雲が、海の波間に垂れ下がり。
昔、柔和にして正しい人びとは
死の谷の、険しい道に、
人生の旅を続けり。
茨の原に薔薇が植えられ、
不毛の丘に、蜜蜂かく集い、謡えり。
かくして険しい道にやがて咲きし花の匂いは、
断崖に、また墓場へと
河流れ、泉湧き、
しゃれこうべに紅の土が混じりたり……。
それにしても、ウィリアム・ブレイクの詩集って、殆ど和訳になっておらず、
現在手に入るものも、邦訳の出来云々を語る以前に、
詩にさえなっておらず、文章として首を捻るものばかり。
柳瀬尚紀氏か、柳下殻一郎氏、訳してくれませんか?