SF入門なぞの四次元



前衛科学評論家・斎藤守弘氏の著書【SF入門なぞの四次元】を読みました。


↓まえがき↓


最近、友達からこんな電話をうけた。


「このごろ、むすこがアマチュア無線にこっていてね。


自分で機械を組み立て、ハムの国家試験にもパスしたんだが、


それで何をしているのかと思ったら、


無線をつうじておもしろい研究グループを作っているんだ。


なんと、四次元世界のなぞを研究しているらしい」という。


「たのもしいですね。四次元世界は、今の科学でもなぞだらけ。


そういう未開拓の分野に取り組むのは、まことにごりっぱ!


ところでむすこさんは大学何年ですか」


私はびっくりしたのだが、そのむすこさんは


大学生でも高校生でもなかった。


ごくふつうの中学生だったのだ。


考えてみると、中学生を対象とした、


四次元世界についての解説書は、ひじょうに少ない。


それも、たんなる SFであったり、いわゆる超常現象の寄せ集めだったり、


あるいはむずかしい数学的な解説だったりして、


本格的な四次元世界研究の手引きになるようなものは、ほとんどない。


そんなにむずかしいのだろうか。


いや、ソ連の科学アカデミー全ソ天文学、測地学会会員である


V・N・コマロフ博士もいうように、


「もしも、そういう四次元世界がほんとうに存在するのなら、


私たちの三次元世界に、なんらかの“おかしな”現象が起こりうるはずだ」



本書では、そうした立場から、四次元世界に原因のありそうな“おかしな”現象を集め、


それを私独自の考案による、


「四次元ダイアグラム」(これはソ連の学者から「うまい表し方だ」とほめられた)


によって、総図解してみた。


なぞの四次元世界研究とその実用化は、まだ始まったばかりなのだ。


斎藤守弘氏は、手塚治虫の短編【ドオベルマン】にも登場した、本当の前衛科学評論家です。



内容は。


【四次元殺人事件のなぞ 地獄の火殺人事件/スッテンコロリ殺人事件/妖怪ガ殺人事件 ほか】



【四次元移動現象のなぞ 瞬間移動のできる四次元少年!/過去に迷いこんだ女性/降零術で出現した古代人! ほか】


【四次元スリラー事件のなぞ 幽霊飛行機に衝突した/したたりおちる血の怪奇/地獄への入口?底なし砂箱 ほか】



【四次元消滅現象のなぞ 大地のすきまにのまれた男/お化けの穴から顔がでた/つい落した飛行機に人がいない! ほか】


【四次元からの使者 過去から来た男/空中からふるナゾの食物“マナ”/未来からの逃亡者 ほか】などなど。