アメリカ人は退化している




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000041-jij-int


>進化論を確立した英博物学チャールズ・ダーウィンを描いた映画

>「クリエーション」が、米国での上映を見送られる公算となった。

>複数の配給会社が、進化論への批判の強さを理由に配給を拒否したため。

>12日付の英紙フィナンシャル・タイムズが伝えた。


このニュースを読んで真っ先に思い出したのが、


牧逸馬【世界怪奇実話】の一遍、『白日の幽霊』です。



テネシイ州法「反進化論法」に触れたるジョン・タマス・スコウブスの公判。


1925年7月10日、テネシイ州第十八刑事法廷に於いて。


裁判長、J・T・ウルストン判事。


この「反進化論法」とは、


テネシイ州州会ノ決議ニヨリ左ノ如ク個定布告ス。

本州内ノイカナル大学、中学、女学校、小学校、及ビ凡テノ公私学校ニ於イテ、

イカナル教師、講師ト謂モ、マタ純粋ニ科学教育ヲ目的トスル

イカナル教室ニテモ、聖書ニ教示シアル人類ノ創造ニ関スル

神聖ナル説話ヲ否定シ、若シクハコレヲ反駁シテ、

人ハ他ノ低キ階梯ノ動物ヨリ順次ニ進化シタルモノナリト教ウルコトヲ

得ザルモノトス。



何のことだか、常識のある人間には鳥渡判るまい。


しかし、二、三度読み返してみるがいい。つまり斯ういうのだ。


「テネシイ州では、大学をはじめ各学校で、進化論を教えてはいけないぞ。


聖書の創世記に書いてあることと違うからだ。


教壇で、進化論などということを口にしようものなら、承知しないからそう思え!」



この、愉快極まる法律案の提出者は、ジョン・ウォシントン・バトラアという、


実に重要な名前の一お百姓議員だった。


お百姓議員というのは、別に揶揄の意味ではなく、


実際、John Washington Buttler君は、同州リイ郡の農業家だった。


(中略)


所謂スコウブス事件として知られている、神、人、猿の三題話し、珍裁判の発端である。


(中略)


「被告スコウブスを有罪と認め、百弗の罰金刑に処す」


進化論が負けた訳である。


(中略)


亜米利加の共和制というのは、不思議なものである。


馬鹿なやつの手に立法権のあるのは、


三歳の子供が、嬉し紛れに刃物を振り廻して、


おまけに火いたずらをしているようなものだ。




牧逸馬も、草葉の陰でゆっくり寝ていられませんよ!


亜米利加は、未だにこんな有様です!!



牧逸馬の世界怪奇実話 (光文社文庫)

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牧逸馬探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

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白仙境 (現代教養文庫 856 ミステリー 2)

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世界怪奇実話 (文庫コレクション―大衆文学館)

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世界怪奇実話〈第1〉 (1969年)

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街を陰る死翼 (現代教養文庫 853 世界怪奇実話 3)

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浴槽の花嫁 (現代教養文庫 851 世界怪奇実話 1)

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