ゴーン・ガール・ゴーン(文章追加更新)









※下記は映画を観てから…



「どうして、こんな事をしたのかね?」


「…すみません……つい…」


「『出来心で』かね? ハハッ、君ィ! 歳は若いが案外古い言葉知ってるんだねェ」


某月某日、通勤電車の車内で、中年紳士は、若い男から財布と鍵入れをすられそうになる。


それが事の発端だった。


中年紳士は、若い男が自分の財布と鍵入れをすろうとしたのは、「私の女房に頼まれたんだろう?」と看過する。


「どうして知ってるんです…?」と困惑する男に、


中年紳士は「私の歳まで生きてると、そんな事くらいは判るんだよ」と答え、笑う。


女房の計略とは、こうだ。


財布をすろうとして、たまたま一緒に鍵入れもすってしまったスリ→財布には身分証明書が入っており、その男の住所が判る


→鍵もあるのでスリは自宅へ空巣に入ろうとする→たまたま居合わせた男を出会い頭に殺してしまう→怨恨では無いので犯人特定は困難


→妻は遺産・保険金を手に入れてホクホク→スリは妻から大金をせしめて、自ら希望している模型店を開店する事が出来る


この計略を全て悟った中年紳士=夫は、逆に、もっと報酬を出すから「妻を殺してくれないか」とスリに依頼するのだった…。


単なる一スリが財布をすりそこなった小さな事件は、やがて殺人事件へと発展する。


そしてその裏には、一見仲の良い夫婦が作り上げた“円満な家庭”の秘密が隠されていた…。

TBSラジオ【夜のミステリー/書き下ろし競作シリーズ・円満な家庭】)



『ハウス・オブ・カード』を通過して、新たな境地にたどり着いたデヴィッド・フィンチャーがおくる『ゴーン・ガール』は、


ブラック・ユーモアの最高傑作です。



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