ジョン・ジョージ・ヘイグ
悪魔は、特に人間のツメや髪の毛や内臓を好んで食べた。
悪魔の子は、人間の心臓や魂を取って食べる。
悪魔を見破る方法。
1.ちょっと見ると、普通の人間と変わらないが、焼け火箸を付けると、角や尻尾、足の蹄を出す。
2.太陽の光を嫌って夜を好む。
3.魔除けの呪文を唱え、印章を見せると逃げて行く。
4.水面や鏡に姿を写してやると、悪魔なら本当の姿が写る。
5.月夜に影があるかどうか確かめる。悪魔なら影が写らない。
6.水の上を渡らせてみると、悪魔なら水に沈まない。
7.十字形の物をとても嫌う。
8.円の中へは入れない。
9.銀の鑿を隠し持っている。
監獄を出た時、イギリスは戦争中だった。私はいつの間にか国内防衛軍に使われていた。
神は常に慈悲深いものという考えを私が放棄したのは、イギリスを絶え間無く襲った
あの爆弾の恐ろしさからである。
或る日、私は赤十字の看護婦と衛兵所に居た。と、サイレンが鳴り出した。
看護婦と私は部署につくため外に出た。
突然、私はヒューという恐ろしい音を耳にし、門の下に身を伏せた。
爆弾が凄まじい音を立てて炸裂した。
打撲傷を負った私が身を起こした時、足許に人間の頭が転がっていた。
あの快活で美しかった看護婦の頭だった。
十二歳の時、私は金具で手に怪我をした。私は傷口から血を吸った。
と、私の存在に何か変動が起こった。
皮膚から吸った、この生温かく、しょっぱい、ねばねばした液体は生命そのものだった。
その後、私にずっとついてまわった啓示だった。
(「ロンドンの吸血鬼」ジョン・ジョージ・ヘイグの告白手記より)
詐欺師としても、かなり稼いだイギリス人ジョン・ジョージ・ヘイグ。
9名殺害の主な目的は血を飲むためと自供したが、
殺人を起こす度に彼の銀行預金残高は増えていた。
巨大な樽に硫酸を満たし、其の中で屍体を処分した。
法廷では精神異常を主張したが、有罪となり、絞首刑に処せられた。