Sowelu と 原田亜希
滋賀県警本部坂田地区署管内で、ふたりの女性が別々に自殺した。
一人は滋賀県坂田村に漂着した貸しボートの中で、首の動脈を切った名古屋市中村区に住む中野 志津枝(18歳)という女性。
一方の女性は、東海道線の米原駅でブロバリンを多量に飲んだ、中村 しづ子(21歳)といい、矢張り名古屋市中村区に住んでいた。
しづ子の父親は中村 清三郎といい、
志津枝の父親は中野 清太郎だった。
このため、警察は大混乱したという。
(昭和28年10月15日付・新大阪新聞)
大阪市港区のアパートで、夫(24歳)との不仲を苦に妊娠三ヶ月の主婦(24歳)がガス自殺したが、
主婦が自殺を図っているのが判っていながら近所の人は知らんぷりをしていた。
主婦は先月4日にもガス自殺を図ったが発見が早く、近所の人が病院に運び、徹夜で看病するなどして命を取り留めた。
しかしその際、余計な事をしてくれたと言わんばかりの態度をされ、一言の礼も無かったため、
今回も主婦の部屋からガスが漏れているのに気付きながら、
「だれが世話をするもんか。勝手にしろ」と、警察にも届けなかったという。
主婦は布団の中に台所からガス管を引き込み死んでいたが、
夫にあてて「あなたの子供と死ねるので幸せです。お幸せに」という遺書が残されていた。
(昭和43年3月19日付・サンケイ新聞大阪版)
「妻にしてやると、次々と勤め先の主人から貞操を奪われた。その仕返しだ」と
新潟県両津市の民家三件に火をつけていた娘(23歳)の行状を知った父親(57歳)が、
犯行が発覚した日の朝、世間に申し訳ないと首を吊って自殺した。
娘は父親と二人暮らし。季節労務で村のあちこちに住み込みで働いており、
普段は「貧しい人にあげてください」と警察に金や衣類を置いていく評判の娘だった。
娘は深夜、挙動不審で捕まった時、素直に犯行を認め、
貞操を奪われた仕返しのため、まだこれから数件の家に放火しに行くところだったという。
(昭和30年4月7日付・サンケイ新聞)