鎌倉夫人との晩餐
縁有って、主に声を生業としている御夫人と和食店で御逢いしました。
御夫人は鎌倉御出身で、外見からの印象とは異なり、和を嗜んでおられます。
御自分で和服の着付けをするだけでなく、衣裳も意匠されるのだそうです。
「着物の裾に『家鳴り』をデザインしたい」と仰られておりました。
住まわれていた家は大層古い造りだったらしく、小さい頃に何より怖かったのが、風呂の火を入れに夜、屋外に出ることだったそうです。
御夫人の風呂は薪で火を燃やし沸かす型だったため、真っ暗な外に出ないと、火をつけられないのです。
そのほか、「切り通し」の両側の木が茂って繋がってしまい、丁度トンネルのようになり、暗黒の其処を通るのが恐ろしかった。
自宅の井戸へ、遠くの井戸から、何かよくないモノが伝って来て、自分の部屋までやって来る夢を良く視た。
(当然「狂骨」も御存知でした)
など、子供特有の恐怖体験をお聞きしました。
こちらもつられて、子供の頃の話を思い出しました。