アルノルト・ベックリン
警戒音である「サイレン」の語源となった、伝説の魔女「セイレーン」。
「メデューサ」(ゴルゴン)と同じく、三姉妹であり、 蠱惑的な歌声で船乗り達を惑わし、船を難破させる。
アルノルト・ベックリンの描いた「セイレーン」(『海の静けさ』)は美しい人魚の姿をしているが、赤い髪がその躰を血に染めたように見せ、
また、海面の下には恐ろしい姿のセイレーンが潜んでいる。
海鳥が三羽、躰にとまっているのは、「三」は「三姉妹」を現し、セイレーンは元々は人魚では無く、鳥の姿をしていると伝えられていたからであろう。
ドイツでは同様の水の精は「ローレライ」となる。
ライン河に現れ、夕日が岩山に沈む頃に唄を好んで歌い、船人たちを歌声で危険な場所に招き入れた。