虹をつかむ男＝The Secret LIFE of Walter Mitty

※これから観ようと思ってる方は以下読まない方がいいです。

ベン・スティラーがダニー・ケイの『虹をつかむ男』をリメイクした本作。

（『虹をつかむ男』はテリー・ギリアム『ブラジル』の元になった事でも有名で、

退屈な日常をおくる主人公が妄想に逃げ込み、そこでヒーローになるという、

21世紀の日本アニメの90％以上を占める、云わば使い古された図式でもあります）

しかしながら日本アニメが予定調和的に、ゆるいぬるま湯の幸せな日常を永久に送るのと違って、

この物語は現実の振りをして、ひたすら“主人公の妄想”に突き進んでいくのです。

この映画を「妄想するだけで無く実際に行動を起こした主人公の冒険譚」って思ってる人をかなり見受けますが

25番ネガに写っている主人公の姿が、その25番ネガを探している時の姿だったり、

ラスト、ヒロインと手をつないで歩く主人公たちの姿が白フェイドアウトになるなど、
（映画『トータル・リコール』のラスト）

どう考えても妄想の世界での出来事です。

だからこそ、いつまでも頭に残る映画になったんだよなあ。

追記）ウォルターが意を決してヘリコプターに乗り込み、漁船に乗り移ろうと海へ落下する場面、

どこかで観たなあという気がして思い出せなかったけど、

『レッドオクトーバーを追え！』じゃん。

この映画、全篇やっぱりほかの映画からの引用妄想で、現実の出来事なんてあんの？　って映画だね。