エロチックな蟲

hanoyshang2006-01-07



其の鹿は、寄生蟲に口の片側を喰い荒らされ、常に、ほくそ笑んでいる様な顔をしている。




妻「あなた… なにを見てらっしゃるの?」


夫「蛾だよ。……見てごらん、志帆子。美しいじゃないか。それに色っぽい。


  この身をくねらせてあえぐようすをごらん!」


妻「やめてよ! 殺しちゃって! そんなもの」


夫「ばかをいえ。


  白状するが、ぼくは蛾のこの尻尾を見るとね


  セックスさえ感じるんだ…」


手塚治虫「I.L.【蛾】」)




麗子「あ〜ッ! キスマークでしょう、それぇ!」


真由美「嘘うそ嘘」


喜美子「なに? ほんとに?」


香織「ちがいますよ、そんな」


麻紀「じゃ、それは一体何なの?」


香織「え …… これですか? …… 蚊、じゃ、ないかな」


麻紀「蚊ァ?」


香織「蚊 ……」


真由美「蚊ァ」


喜美子「蚊?」


麻紀「今何月だと思ってんの?」


香織「だから …… 春の蚊ですよ」


喜美子「春の蚊? いるの? そんなの」


香織「最近、蚊って一年中いるんですよ」


 (じんのひろあき櫻の園」)