これでいいのだ!

hanoyshang2006-01-09



おやじ「ところで きみ おなかすいてないか?」


ヒツジ「じつはハラペコなんです」


おやじ「だから ねむれなかったのだ!これから あるものを食べるのだ。


    そうすれば わしも きみも かならず ねむれるのだ!」


ヒツジ「なにか ひっかかる ものの いいかたをしますね」


おやじ「ねむれるためだ。ちいさなことは気にしないのだ!」


ヒツジ「ぼく すききらいがはげしいんです。なにを食べるんですか?」


おやじ「『ヒ』のつくものなのだ」


ヒツジ「『ヒ』か …。気になるなあ …」


おやじ「気にしなさい」


ヒツジ「あのう それはぼくにも食べられるものですか?」


おやじ「きみは食べられないのだ」


ヒツジ「わかった!!」


おやじ「わかったか」


ヒツジ「ぼくはヒツジの中でもカンのするどいほうなんです。


    どうぞぼくを食べてください」


おやじ「ではいただきます」


ヒツジ「まって! そのまえにおねがいがあります」


おやじ「なんだ?」


ヒツジ「ぼくにもひと口だけ食べさせてくださいね」


おやじ「よしわかったのだ」


       ポキッ


おやじ「これでいいのだ!


    ヒツジくんどこへいったのだ?せっかく食べさせてあげようと思ってるのに!


    それにしても このヒツジの肉はうまいのだ!



    ゲプッ これでわしも よくねむれるのだ。ヒツジくんも永眠してよかったのだ」


赤塚不二夫天才バカボン」)