あきれた、じけん

hanoyshang2006-01-25



事件の概要は次の様なものであり。全く開いた口がふさがらぬ凶悪殺人事件であった。


被害者は、38になる、某みよ子というカフェーの女給であった。


丁度殺された日の夕方、みよ子はマダムと口論をして、暇を取って帰るという騒ぎがあった。


この騒ぎを聴きながら、店で相当飲んでいた労働者風の若者が居た。


「みよ子さん、帰るならオレが送ってやろう」と云い出し、二人で連れ立って店を出た。


もう七時頃で、辺りは暗かった。県道を歩いて行くと、突然若者は、みよ子を脅迫し出した。


危害を加える様な態度と変わってきたので逃げようとすると、石垣の所まで連れ込まれた。


そして、石垣に押さえ付けられて暴行を加えられたのである。


若者は、目的を達したというものの、尚も執拗にまつわりつくので、みよ子は


「いうことを聞いたのだから、帰してくれたらどう、だらしがないじゃないか」と嘲弄した。


此の言葉が悪かった。若者の頭にカチンときた。ようし、といきり立った若者は、大声で迫ってきた。


みよ子は慌てて河原へ逃げ出した。何もかも判らなくなった若者は、凶暴な怪物と化していた。


行き着いた所は水際であった。みよ子は、川の中へ逃げようとしたが、怪物の足は早かった。


拳固がみよ子に飛んできた。もう、みよ子もヤケクソだった。「殺すなら殺せ」と叫び出した。


此の言葉が怪物をいきり立たせた。もう完全に狂人であった。みよ子を川の中に殴り倒した。


起き上がろうとしたみよ子の頭に、二貫目ぐらいと、其の倍くらいの大石が飛んできた。


(「彼女はナゼ殺されたか」)