六百年生きていた蝶

hanoyshang2006-02-16



1966年7月17日、セイロン南部のケビリッタにあるタウジヤ寺の地下から、


立派な青銅で作られた大きな箱が発見された。


「きっと、この中には名僧のミイラがはいっているのだ。」


坊さんたちは、その箱をはこびだし、あけてみたところ、中にはゾウの白骨体がはいっていた。


それは、お寺の文献にかかれているところによれば(原文ママ)六百年前、タウジヤ寺が作られたとき、


「聖体」として、うめられたものであった。


「この銀箱は?」


ゾウの鼻がもっていたと思われるところに、みかん箱くらいの銀で出来た箱があった、


「なんだろう?」


その銀箱をあけた坊さんたちは、おどろきに声も出なかった。


なんと、箱の中から黒と黄金色の二羽のチョウがとびだし、坊さん達の手にかみついたのだ(歯は? ねえ、歯は?)。


チョウはしばらくのあいだ、寺の中をとびまわっていたが、やがて、どこともなく姿を消してしまった。


六百年ものあいだ、どうしてこのチョウが生きていることができたのか? それはまったくのなぞだ。



おしまひ