気のやまい
ある日、京都に住む女性が鏡を見てぎょっとした。
何だか自分の鼻が次第に高くなっていくような気がしたからだ。
驚いて鏡に顔を映すと。更に伸びて二尺位にはなっている。
ところが、不思議な事に眼を瞑ってみると、鼻は元のままだ。そこで、もう一度、眼を開いてみる。
すると、鼻は先刻より高くなっている。彼女は鏡に眼を凝らした。
鼻は更に伸びていく。だが眼を瞑ると、別に何でも無い。
「へんだわ」
眼を開いている限り、鼻は伸びていくのに、眼を閉じると変化は無い。
何度も眼を開いたり閉じたりした挙句、彼女は医者の門をくぐった。
「うむ成程。私の眼にも高く見えます。では、これに効く新しい薬を差し上げましょう」
医者はこう云って彼女に薬を与えた。
その日の夕方、再び彼女は医者を訪れた。
「まだ少し高い様なのですが、初めよりかなり低くなりました。どうでしょうか?」
「ええ、仰る通り少し低くなった様です」
医者はまた薬を与えた。
こうした繰り返しを何度かしている内に、鼻は元通りになったという。
(鼻高病)
【われわれは催眠術の被害者にならない為にも、催眠術で身を守らなければいけないのです。
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(催眠術師になりたい)